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サミー(久しぶりに本業)

少し前(時期はわざとあやふやに)、サミーの里美社長とお話する機会がありました。

sammyこの会社


サミーでピンとくる人はギャンブラーなのですが、昨年ゲーム会社のセガを買収で傘下に収め、日本一のアミューズメント企業になりました。任天堂より大きいんです。

パチンコ、パチスロ装置の製造業界は(あまり詳しくない業界)、保通協(警察の外郭団体で天下り先)と日電協(業界団体)の二つが結託して、新規参入が事実上出来なくなっており、利益率が非常に高い業界です。
--------------------余談---------------------
昔、保通協を調べた時に、「亀井静香」氏がこの業界のドンで、足を向けて寝られないと、ある業界人が言っていたのが印象的でした。

メーカーが新規の機械を作ると、この保通協が審査をして、審査に通ると販売が可能となるのですが、通常最低一度は差し戻されるという話です。しかもほとんど「てにをは」のチェックで(メーカーが作った機械が性能的に問題があることは常識的にありえない)、それで一回100万円とか、請求するそうです。
既得権益の最たるものですが、業界もそれで困らないので、たぶん当分続くのでしょう・・・。

ちなみに、この日電協という協会に加入しないとパチンコホールに販売できないようです。パチンコホールは買うことは出来るが、たぶん嫌がらせがあるんでしょうね・・。従って、この協会に入らないと売れない。しかも、日電協で、特許を保有しているようで、やはり加入しないとすぐこの特許に抵触してしまう・・・古き良き時代の日本・・・ですね。
--------------------終わり-------------------

さて、会社はこの業界も流石に成熟しているので、有り余るお金で新しい成長機会を探したい・・・というところのようです。そこで、昨年セガを買収しました。

セガ・・・なかなか親のすねかじり息子で、里子に出されては追い出されの繰り返しで、今回はサミーの傘下入りです。

里美社長のプレゼンテーションは、比較的温和な感じで、恐らく強烈なワンマンであろう雰囲気はあまり感じられませんでした。

まわりのお付の人もそれほどビクビクした様子もなく・・・従業員のクリエイティビティも必要なので自由な空気もあるのかな・・・とか思いました。

ミーティングは一時間調度だったのですが、私の印象としては、里美社長のアイデアは面白いけど、それを実現する上での判断力、実行力を兼ね備えた右腕的な人材がこの会社にはいるのだろうか・・・と感じました。

これだけ変化の早い時代です、過去の経験に頼った延長線上の物の考え方でなく、もっと普遍的な幅広い価値観で物事を独自に判断でき、その上でリスクを取れる人材・・かな。

特に株主がどういう視点から企業を見ていて、その視点で会社のリソースを最適配分しないと株主からクレームがくる・・・etc そこそこのMBA出で執行力のある人間がCEO、CFOにちゃんといれば・・・長期的な安定成長も可能かな・・・とか。

確か2000年頃にコナミの当時のピープル(フィットネスのエグザス)を買収した時を思い出しました。当時、コナミは、遊戯王カードゲームというただ同然の紙で何百億円もの利益を出して、有り余るお金で何をしようかと考えたときに企業の買収に出ました(正確には証券会社にそそのかされました・・かな)。このときも、集めたお金の性質を考え、どれだけの投資収益が上がらないといけないお金か意識していれば、投入した650億円が半分以下にもなるような(確か・・)ことにはなかったかな・・

今回、ありあまるお金でセガを買収、今後も更にM&Aを加速させ、世界でビッグ3のアミューズメント会社になりたいそうです。

私は、一つだけ質問をしました・・・「M&Aを行なうときの財務的なCriteriaはなんですか・・」と。

残念ながら、私が求めていた回答とは、かなり違うとんちんかんな答えが返ってきました。(日本企業はコーポレート・ファイナンスがかなりおんちなので、よくあるのですが・・・外人はやや失望してしまいました)

サミーといえば、近年のヒット作は」北斗の拳」シリーズ・・それから「獣王(?おいらしないからしらない)」というところだそうです。

経験則として、一つの種が当たるとその後、シリーズ物・派生物等で、3−4年程度は会社の業績が安定して伸びるようです。大体、3−4年くらい特定のヒットが業績を牽引すると次はお休みです。(そんなにやたら当たらない・・)

昔、ゲーム会社でいえば、カプコンという会社が「バイオ・ハザード」というゲームをヒットさせて、倒産の危機を免れました。このシリーズ+派生品でやはり4年くらいはイケイケどんどんだったような・・・。

さて、話は戻るのですが、資金を投入して買収をする・・いくらくらい投資回収ができるから投資をするという点を明確にせずに、シナジーとか言いながら買収をするとほぼ確実に失敗してしまう・・・経験則です。

「シナジーを見込む」という言葉を多く使って説明する買収ほど失敗する可能性が高い・・・これも私の経験則です。


日本人は、貯金は好きだし得意です。貯蓄率が物語っています、しかし「お金の使い方」にフォーカスを当てた時に「お金の上手な使い方」に自信のある人はどれくらいいるでしょうか・・・。

アメリカには、ここにフォーカスした学問があります・・・日本人も、学ぶべきでしょう。かといって彼らのようにやたら借金してまで買うのがいいとは思いませんが・・・。


・・・セガといえば、前の親会社だったCSKの故大川会長に、その昔まだペイペイだった頃に呼び出され、二時間くらいたっぷり情報産業について教授していただきました。そのとき、恐らく会長自ら赤鉛筆で資料に線を引いた跡があったのが印象的で、今でもはっきり覚えています、めちゃめちゃ怖かったけど(ゆーみんさんのいう出会いの一つでしょうか。)

ふー、長っ。

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